Puレザーは革ではありません。

Puレザーは革ではありません。
Puレザー=ピーユー レザーと読みます。
ポリウレタン(Polyurethane)レザー=合成繊維またはフェイクレザーとも呼ばれる革に似せて作った、似て非なるものです。
「高級感のあるPuレザー使用」とか、時には「イタリアンPuレザー製」など書かれた商品がありますが、これ、全部革製品ではありませんのでお気を付けください。
イタリアンPuレザーなんて聞いたことないんですけど、その素材どこで売ってるんですかね。( °ɞ°)
 

“ポリウレタンは基本的には2種類の主原料を混合/反応させることによって生成されるポリマー(プラスチック)であり、配合処方および成形方法を変えることにより、フォームクッション、断熱フォーム、エラストマ−、塗料、接着剤、合成皮革(人工皮革)、弾性繊維など幅広く使われています。”(日本ウレタン工業協会より)

つまり石油由来製品です。加工して革に似せるため、クオリティーは均一です。

一方、革製品は動物の皮からできています。牛、豚、馬、蛇、鮫、エイ、ウナギ、あらゆる動物の皮を使います。グロさからいえばPuの比較ではありませんね。(´Д`)
 
 

20160218-02鞣した後の製品の状態の革。

 
 
皮を剥ぎ加工することで革になるわけですが、動物の皮ですから加工しなければ腐ってしまいます。
ざっくりといえば、腐ることなくなめらかにする加工が「なめし」といわれるものです。
漢字の表記で言えばこの加工をすることで「皮」から「革」なります。
なめしには、植物に含まれるタンニンを使う方法、主にクロムなどの薬剤を使う方法、その両方を使う方法があります。
自然の風合いを楽しめる革にはタンニンでなめしたものが多く、耐久性を高めたり、傷に強くするためにはクロムが適しているといわれています。更に革に顔料を吹いたりすることもあります。
元が動物の皮ですから、クオリティーは均一ではありません。でもそれが革の味なのです。

Puを否定しているのではありません。PuにはPuのいい面がもちろん沢山あります。
例えば、見た目は革によく似ているし、メンテナンスも楽だし価格もリーズナブルです。
Pu製と分かった上で使う分にはいいのですが、革製品の一種と思って使うと困ったことになります。
革製品は使う程味になりますが、Puレザーは基本的には劣化が進みます。
年単位で使うのが革製品の基本ですが、Puはそのシーズン限りと考えた方が無難です。
どうか、「高級」とか「イタリアン」などの言葉に惑わされないでください。
革とPuレザーは違うものであるということを踏まえた上で、どちらも楽しんでくださいね。